今や人気ジャンルの一つになった“油そば”。その元祖は1957年から始まっているそうです(所説あり)。
1957年(昭和32年)といえば、日本コカ・コーラが設立されたり、五千円紙幣(聖徳太子の肖像)・百円硬貨が発行されたりした、ヒビ機からするとめちゃくちゃ大昔の話です。
さて、今回紹介するのはそんな1957年創業の油そば元祖のお店。ダイエーの一号店がオープンした年から営業している油そばを食べに行ってきました。
1957年創業、今や人気ジャンルになった“油そば”発祥の老舗『珍珍亭』へ
武蔵境駅から徒歩10分くらいのところにある『珍珍亭(ちんちんてい)』。
1957年創業のこちらのお店は、今や人気ジャンルのひとつになった“油そば”発祥のお店とも呼ばれる老舗(国立の『三幸』という説も)。いい意味で初見では入りにくい外観も味がありますよね。
ちなみに、ただ元祖の店というわけではなく、「TRYラーメン大賞」など様々なメディアにも取り上げられる実力あるお店でもあります。
メニューはこんな感じ。「油そば」を始めとし、「ラーメン」や「チャーハン」、ビールのおつまみになりそうなサイドメニューなど、色々揃っていますね。
最近のラーメン屋はほとんど食券制ですが、『珍珍亭』は口頭注文・後会計。面倒見の良さそうなおばちゃんが注文を聞いてくれるところもいいですね。ストーリージェニックってやつです。
卓上の味チェンは、お酢やラー油などの鉄板ラインナップ。滑らないようにか汚れないようにか、ラー油にラップが巻かれているのすら良い感じに見えてきました。こちらはあとでしっかり使うことにしましょう。
シンプル・イズ・ベスト!これぞ元祖の「油そば」だ!
待つこと5分少々。おばちゃんの「お待たせしましたー!」の声と共に「油そば 並」(650円)が到着。
めっちゃシンプル!
茹でた麺の上に、なると・チャーシュー・メンマが乗るという至ってシンプルなビジュアル。トッピングをあれやこれやと乗せないこの感じも昔ながらの雰囲気があっていいじゃないですか。しかも安い。
着丼と同時にムワッと広がる小麦の香りに鼻孔をくすぐられ、食べる前からワクワクしてきました。
麺の下を覗くと醤油ダレが。いちいち「よく混ぜてお召し上がりくださいね」なんて言わないのは常連さんが多いという証。
タレが全体にしっかり行き渡るように混ぜてから食べていきます。
しっかり混ぜるとこんな感じ。トッピングが一切見えなくなり、混ぜる前よりも更にシンプルな見た目になりました。
しかし着丼の時とは違い、アツアツの麺の湯気に乗った醤油の香りがムンムンと立ち込めてきました。
ズズーッと一啜り。醤油の旨みとラードのコクを纏った麺はモチモチで美味い!
プリッと丸みを帯び、ラードで照り照りと光る中太麺をズズーッと一口。
もちもちとした食感を噛みしめるうちに小麦の甘みが広がり、まろやかな醤油とラードのコクを感じる醤油ダレと一体になっていきます。
構成としてはめちゃくちゃシンプルですが、不思議と全く飽きが来ません。それどころかどんどん箸が進みます。
写真は混ぜる前に戻ってしまいますが、トッピングも攻めていきます。
チャーシューはしっかりした肉質で噛みごたえがあり、噛むほどに肉の旨味が増していきます。余分な脂がないので案外さっぱりとした印象、このチープさがいいんですよね。
メンマは“シャクシャクッ”とした心地の良い歯ごたえ。
プリッとした麺を啜っている最中に感じるこの“シャクッ”とした歯ごたえが堪らないです。
↑シンプルなビジュアルにちょこんと華を添える なると も可愛い。
後半には酢やラー油で味チェン。どれを入れてもガラッと変わって面白い!
そのままの味で麺を半分くらい食べたところで、酢やラー油を使って味チェンしてみます。
酢を入れると油がさっぱりとし、タレや麺の甘みがより引き立つ味に。一方、ラー油を入れると香ばしさと辛味がプラスされ、そのままの味のときよりもジャンキーな味わいに。
まとめ
醤油・ラード・麺というシンプルな構成ながら、心を惹きつける元祖の油そばでした!
さすが1957年から愛されるだけありますね。ただ、常連さんのほとんどが生玉子とスープを頼んでいたので、それを頼まなかったのだけが悔やまれます……(またくればいい話)。
では今回はこの辺で。ごちそうさまでした!
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●細かいチェックポイント●
味の重さ:ややあっさり
温度:熱すぎず、ぬるくなく
提供時間:5分(早い)
お冷:おばちゃんが注いでくれる。冷たい
店内温度:適温
混雑具合:平日12時過ぎでほぼ満席
タイプ:まぜそば / 油そば
エリア:吉祥寺 / 三鷹 / 武蔵境
推し麺度:☆8